スチール缶のごみが回収されるとどうなる?リサイクルの仕組みを知って、地域社会や地球環境に貢献しよう!
缶ジュースや缶コーヒーなどの飲料缶をはじめ、クッキーやおせんべいの詰め合わせで使用される一般缶、あるいは業務用の食用油や醤油が入った一斗缶など、このようにスチール缶は日常生活で汎用性の高い金属容器で知られます。
そんなスチール缶も使用済みになれば、ごみとして回収されるのが通常のパターン。それでは回収された後にはどうなるのでしょうか。それを知るには、スチール缶リサイクルの仕組みを理解しておくことが不可欠になります。
スチールは耐食性や加工性あるいは強度等に優れており、あらゆる産業分野で高いニーズを誇る高級鋼材です。そのためたとえ使用済みであっても、実はほとんど廃棄されることはありません。
廃棄物処理施設等でスクラップしてから製鉄所で溶解されて、再び様々な鉄製品に再生されます。ちなみに2020年度のスチール缶リサイクル率は94.0%。これはアルミ缶リサイクル率と同率であり、ペットボトルと比べても10%近く上回る回収率です。
このようにスチール缶の回収率が高いことには、もちろん幾つかの理由があります。その中でも特に注目したいのが、リサイクルのルートが十分に確立していること。
例えば各家庭から排出されるのであれば、各自治体の不燃ごみ収集ルートで分別収集され、そこから資源化施設を経て製鉄メーカーへリサイクルされる明確なルートがあります。
また自販機や事業所あるいは工場から排出されるケースでも、同じように製鉄メーカーへ至る、事業系回収ルートが確立しています。
製鉄メーカーではスチール缶スクラップを原料として購入し、電炉や高炉で様々なスチール鋼板を再生産します。さらにその鋼板を必要とする各事業分野のメーカーへと供給され、それぞれのニーズにふさわしい製品に活用されます。
例えば飲料用のスチール鋼板であれば、製缶メーカーの工場で飲料缶として、また自動車メーカーや鉄道関連では車体や部品などの素材に、あるいはビルや橋梁などの建設分野では資材として再活用されます。
このように当初はごみとして回収されたスチール缶も、その後は高い確率で再生され、日常生活のあらゆる分野で活用されることになります。またスチール缶は幅広い産業分野で高いニーズを誇るため、それをリサイクルすることによる影響力は高く、地球温暖化の防止や省エネルギー化あるいは社会の省資源循環化など、地域社会はもちろん地球環境へも多大な貢献を果たしています。